【開催趣旨】
2021年7月に「Society5.0における新たなガバナンスモデル検討会」で取り纏められた「ガバナンス・イノベーションv.2」では、「Society5.0」の実現のためには、業界ごとに政府がルール形成する従来型のガバナンスモデルから、変化する課題の解決に対応できるマルチステークホルダー視点で水平的なアジャイル・ガバナンスモデルへの転換が必要になるとしています。システム監査もガバナンスモデルの進化を見通して、マルチステークホルダー視点で、デジタル技術の効果を高めつつ、リスクをコントロールする役割を果たす形に変容していくことが求められるでしょう。そこで、今回のシンポジウムでは、アジャイル・ガバナンスモデルへの対応を中心にシステム監査の新しい潮流について、政策当局、大学、金融界の有識者の皆様にご登壇いただき、議論したいと思います。
本学会会員のみならず情報システム、情報セキュリティ、リスクマネジメント、内部・外部監査などの領域において理論と実践に携わっている関係各方面の方々のご参加をお待ち申し上げております。
【プログラム】午前(研究発表セッション)の部
10:00-10:05 | 午前開会挨拶 | 大会実行委員長 片岡 学 |
<研究発表セッション1 コメンテーター 吉田 洋氏(名古屋文理大学)> | ||
10:05-10:30 | 研究発表1 サイバー・フィジカルシステムのガバナンス、システム管理の実装に関する研究 -システム監査の観点からの考察 "A research on implementing governance, systems management for cyber-physical systems - A Consideration from aspects of systems audit" システム監査技術者, CIA , CISA 成田 和弘氏 Society5.0の実現には、サイバー・フィジカルシステムの社会実装を進めるとともに、「環境・リスク分析」「ゴール設定」「システムデザイン」「運用」「評価」「改善」といったサイクルを、マルチステークホルダーで継続的かつ高速に回転させていくガバナンスが必要であるとされる。サイバー・フィジカルシステムのガバナンスとシステム管理のあり方について、我が国の政策、ソフトウェア開発およびエンジニアリング技術の課題や動向等を踏まえ、システム監査の観点から考察する。 |
|
10:30-10:55 | 研究発表2 情報セキュリティ教育教材の学習到達段階目標の提案 "Proposal of Rubric for Information Security Education Materials" 電脳商会 西澤 利治氏 早稲田大学基幹理工学部 増田 朱紋氏、齋藤 大輔氏、鷲崎 弘宜氏、深澤 良影氏 本研究は、若年層を対象とした情報セキュリティ教育おける学習効果を評価するため、既存のコンピュータ科学教育の教育標準を参考にセキュリティ教育用の評価軸として学習到達段階目標を提案する。提案した学習到達段階目標は「サイバーセキュリティへの理解」、「パスワードが必要な理由の理解」といった項目を含み、これら項目を5 段階の学習目標に分割した。加えて、提案した学習到達段階目標を既存のセキュリティ教育教材「異世界で学ぶ はじめての情報セキュリティ」へ対応させた。今後、本対応結果を用いて学習効果の測定を実施予定である。本発表では学習到達段階目標の概要と既存教材への対応結果を報告する。 |
|
10:55-11:05 | 休憩(10分) | |
---|---|---|
<研究発表セッション2 コメンテーター 荒牧 裕一氏(大手前短期大学)> | ||
11:05-11:30 | 研究発表3 システム監査基準・システム管理基準の改訂に関する課題 "Issues Related to Revision of "Systems Audits Standard" and “Systems Management Standard"" 法政大学 石島 隆氏 経済産業省が公表しているシステム監査基準・システム管理基準は、2018年4月に改訂が行われたが、その後の情報通信システムやシステム開発・運用技術の変化、デジタルトランスフォーメーションに向けた様々な動きに対応して、システム監査関係諸団体により、改訂に向けた議論が始まっている。本発表では、今後のシステム監査制度の位置付け及び役割と、システム監査基準・システム管理基準の改訂に関する様々な論点について述べる。 |
|
11:30-11:55 | 研究発表4 Society 5.0への信頼形成に関するベイズ分析的考察 "Bayesian Analysis of the Trust on Society 5.0" 情報セキュリティ大学院大学 神橋 基博氏 デジタルトランスフォーメーション(DX)により価値を創造する社会であるSociety 5.0においては、組織間の信頼が不可欠のものとされている。信頼に関する理論的、定量的な分析では信頼ゲーム等の完備情報を前提とするゲーム理論を用いた研究が行われてきたが、Society 5.0が想定する社会では不確実性を前提とする枠組みが必要となる。本稿では、金融業におけるオープンAPIを題材に、金融機関と電子決済代行業者の信頼が形成されていく過程について、ベイズ定理を用いて説明する枠組みを構築し、定量的分析を行うことを試みる。 |
【プログラム】午後の部
司会 大会実行委員長 片岡 学
13:00-13:05 | 開会挨拶 | システム監査学会 会長 石島 隆 |
13:05-13:15 | 挨拶 | 経済産業省 商務情報政策局 情報経済課 課長 須賀 千鶴氏 |
13:15-13:55 | 講演 1 テーマ:「複雑かつ変化し続けるシステムのためのアジャイル・ガバナンス」 "Agile Governance for Complex and Fast-changing Systems" 経済産業省 商務情報政策局 情報経済課 ガバナンス戦略国際調整官 羽深 宏樹氏 デジタル社会のシステムは、変化が速く複雑かつ統制困難であり、硬直的なルールや組織によってガバナンスすることが困難です。本講演では、このような従来型のガバナンスモデルではなく、変化に適応できる柔軟かつ水平的な次世代型の「アジャイル・ガバナンス」について、経済産業省が7月に公表した「ガバナンス・イノベーションv.2」報告書に基づいて解説します。 |
|
13:55-14:05 | 休憩(10分) | |
---|---|---|
14:05-14:45 | 講演 2 テーマ:「Society5.0時代のシステムを取り巻く環境からみたアジャイル・ガバナンス」 "Agile Governance from the Perspective of the Environment Surrounding Systems in the Society 5.0 Era" 慶應義塾大学大学院 システムデザイン・マネジメント研究科 教授 白坂 成功氏 日本政府が目指すSociety5.0を実現するためには、アジャイル・ガバナンスが必要となります。しかし、Society5.0の実現する近い将来ではこれまでと同じアプローチのガバナンスでは対応ができません。本講演では、Society5.0時代のシステムを取り巻く環境を示すことでどのようなアジャイル・ガバナンスが必要となるのか解説します。 |
|
14:45-14:50 | 休憩(5分) | |
14:50-15:30 | 講演 3 テーマ:「アジャイルなプロジェクトに対する三井住友銀行の新しい監査」 "New Audits for Agile Projects in Sumitomo Mitsui Banking Corporation" 株式会社 三井住友フィナンシャルグループ 監査部 部長 佐藤 稔氏 システム開発プロジェクトでは、従来と異なり一層アジャイルな運営が進み、IT分野における新技術の採用(またはレガシーな技術の維持)によるリスクの高まりだけでなく、コスト・品質・スケジュール面のリスクも変容してきています。監査部門はこうしたリスクに対応するために、アジャイルな監査スタイルを確立することが求められています。また、監査部門の第三者的な合理的な根拠に基づく保証を得てプロジェクトのリリースをしたい、という経営の期待にも応える必要があります。これらの要求に応えるべく三井住友銀行監査部が今年度開発した、新しいプロジェクト監査の概要を紹介します。 |
|
15:30-15:40 | 休憩(10分) | |
15:40-16:40 | パネルディスカッション テーマ:アジャイル・ガバナンスとシステム監査の新しい潮流 "New trends in agile governance and systems audits" 経済産業省 商務情報政策局 情報経済課 ガバナンス戦略国際調整官 羽深 宏樹氏 慶應義塾大学大学院 システムデザイン・マネジメント研究科 教授 白坂 成功氏 株式会社 三井住友フィナンシャルグループ 監査部 部長 佐藤 稔氏 モデレータ:システム監査学会 副会長 遠藤 正之 新たなガバナンスモデルであるアジャイル・ガバナンスの実現のために、マルチステークホルダーの協働をどのように進めていけば良いのか、システム監査がどのような役割を果たすべきなのかについて、ディスカッションを行います。 |
|
16:40-16:45 | 閉会挨拶 | 大会実行委員長 片岡 学 |
【開催要領】
開催日時 | 2021年11月5日(金)10:00〜16:45 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
開催場所 |
・Zoomオンライン開催(期間限定オンデマンド配信付) ・参加には、インターネット接続可能で、Zoom アプリをインストールしたパソコン、スマートフォン、タブレット端末等が必要です。事前に https://zoom.us/test に接続し、お使いになる通信サービスや利用機器、最新アプリの準備等、環境をご確認の上お申し込みください。 ・Zoomは申込時にご登録いただいたメールアドレスに対して1端末の接続となります。 ・オンデマンド配信については、専用ページから2週間程度視聴可能となります。 ・オンデマンドの視聴開始については、動画内容確認後となります。なお、オンデマンド配信の承諾を得られなかった講演・発表については対象外となります。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Zoom 接続方法の ご案内と 配布資料 ダウンロードサイトに ついて |
お申し込みいただいた方には、後日接続方法と、配布資料ダウンロードサイトの情報をPeatixからご案内します。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
定員 | 450名(先着順) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
参加申込 | Peatixからお申し込みください。 → https://jssa-20211105.peatix.com |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
参加費 |
ご参加にはPeatix による事前申込みとクレジットカードでのお支払いが必要です。
注) ・会員とは、システム監査学会の正/学生/賛助会員をいいます。 ・会員はメルマガで配信される割引コード、後援団体会員はPeatix申し込み画面の後援団体毎の割引コード、または各団体からメール配信される割引コードを受付時に入力することで、該当金額が表示されます。 ・講演者、発表者の都合や通信状況により、プログラムの一部がオンライン実施できないことがありえますが、すべてのプログラムが実施できない場合を除き、返金はいたしません。 ・支払はクレジットカードのみのため、カード会社から送付される「ご利用明細書」や「引き落とし明細書」が領収書になります。経理上、注文内容の詳細を含む必要がある場合などは、Peatixからのお申込み詳細メールの「領収データ>」をクリックすることで、領収データが入手できます。学会からの領収書は発行いたしません。 |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
後援団体 (一部依頼中) |
一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC) NPO法人日本システム監査人協会(SAAJ) ISACA東京支部・名古屋支部・大阪支部・福岡支部 NPO法人日本セキュリティ監査協会(JASA) 日本ITガバナンス協会(ITGI) 日本セキュリティ・マネジメント学会(JSSM) 一般社団法人経営情報学会(JASMIN) 一般社団法人情報処理学会(IPSJ) 公益社団法人日本技術士会(IPEJ) 一般財団法人日本データ通信協会(JADAC) 日本公認会計士協会(JICPA) 日本情報経営学会(JSIM) 一般社団法人日本内部監査協会(IIA-Japan) NPO法人ITコーディネータ協会(ITCA) 日本監査研究学会(JAA) 日本内部統制研究学会(JICRA) 金融情報システム監査等協議会(FISAC) |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
資格継続 ポイント について |
大会終了後、アンケートにメールアドレス、氏名を回答いただくと、受講証明をご指定のメールアドレス宛に電子メールでお送りしますので、受講証明をご希望の方はアンケートに回答いただくようお願いいたします。 ●専門監査人の業績ポイントは 5ポイントです(複数区分の資格を取得している場合は1区分のみ対象) ●日本公認会計士協会の CPE については、研修登録番号を参加申込みの時に入力していただきます。 ●その他の団体の資格継続ポイントについては、所属する団体にご確認下さい。 |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
大会実行委員会 |
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
主催 | システム監査学会 〒100-0003 東京都千代田区一ツ橋1-1-1 竃日学術フォーラム内 問合せフォーム https://www.sysaudit.gr.jp/toiawase/index.html |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
個人情報の取扱いについて |
・申込時にご記入いただいた個人情報は、本会の運営管理目的外では利用しません。 ・参加者リスト(氏名および所属)を講演者および大会関係者が閲覧することがあります。 ただし、入手した情報を本大会の運営管理以外に利用することを禁止しています。 ・個人情報の削除・訂正等を希望される場合は、学会事務局にご連絡ください。 当学会の個人情報保護方針はこちら → https://www.sysaudit.gr.jp/privacypolicy/index.html |
▲このページのトップに戻る